今回は、日光を浴びないことでビタミンDの合成が不足した場合におこる『くる病』などの発症をどう予防するかというお話をします。
アメリカでは「日光を浴びた時間の総合計よりも、直射日光に当たり始めた年齢が皮膚がんの発症リスクに影響する」という報告があり、生後6か月以下の赤ちゃんは直射日光を避けるべき、それ以降でもサンスクリーン剤を使用するようにと言われています。
そして、ビタミンD不足に対処するために、すべての赤ちゃんにビタミンDのサプリメントを飲ませることが推奨されています。
人種により肌の色は異なるので、この提案をそのまま受け入れることは難しいですが、現在日本では、どの程度日光を浴びればビタミンD不足に陥らないか、またどのくらい日光を浴びればどのくらい皮膚がんのリスクが上がるのかなどのはっきりとした定説はありません。
あまり日光に当たっていない1歳未満の赤ちゃんは、ビタミンDはおもに食事から摂取することになります。ミルクには添加されていますが、母乳に含まれるビタミンDは少ないために、完全母乳の場合は、お母さんがビタミンDを多く含む食物を摂取することや、赤ちゃんにビタミンDのサプリメントを飲ませることも良い方法かと思います。
ビタミンDを含む食事としては、サケ、マグロ、サバ、レバー、バター、チーズ、卵黄、きのこ類、海藻類などがあります。
ビタミンDのサプリメントにもいろいろありますが、濃度が濃すぎるものもあります。ビタミンD過剰症を防ぐ意味でも、赤ちゃん用のサプリメントを選びましょう。